税制適格ストックオプションの設計

こんにちは、坪井司法書士事務所の坪井です。

すっかり寒くなり冬本番ですね!朝、自宅から外に出ると寒くて涙目になるほどです。

早く夏が来てほしいと思います。

ところで、もう12月ですね。今年もラスト1か月ということで、気を引き締めて業務を行っていきたいと思います。

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今日は久しぶりに業務日誌です。

先月、税制適格ストックオプションの発行手続きを受任しまして、その際に他社登記事例を調べたのですが、その時に感じたことを一つ書きたいと思います。

ストックオプションは取締役・従業員・社外協力者等に対し、役務を提供してもらう代わりに、その報酬として付与する新株予約権です。

IPO・M&Aを見据えた上で様々なアレンジを契約書に反映することができます。

例えば行使条件ですが、発行要項と契約書のどちらに定めるかで、今後の運用も変わってきますし、ベスティングの有無でIPO後のメンバーの残留度も変わってきますので、とても奥が深いです。

IPO達成企業の目論見書や謄本から、様々な情報が読み取れますが、行使条件に「IPO後3年間は行使できない」と定められていたのに、上場直前に消されていたり、「時価総額が300億円以上で行使できる」と定められていたりすると、元々の資本政策について様々な想像をしてしまいます。

ここ数年で、プルータスコンサルティングさんの時価発行新株予約権信託を利用する企業も増えました。

信託型新株予約権は税務ストラクチャーであり、条文のみならず判例・先例で様々な論点を一つずつ検討した上で開発されたスキームです。
プルータスさんの信託型新株予約権を発行し、上場審査も通っている事例も沢山あります。

信託型新株予約権は色々ありますが、私としてはプルータスさんの信託型新株予約権を一番おすすめしています。

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余談ですが、前回のストックオプションが税制適格要件を満たしているので、今回もその契約書を流用したり、知り合いやインターネットから契約書のひな型を手に入れたりして、新株予約権の個数や日付といった数字だけを変え、弁護士、税理士、司法書士などの専門家のチェックなしで登記されたケースでは、

 ・行使期間は付与決議から2年経過後、10年経過する前まで
 ・権利行使価額は新株予約権の発行時点で時価以上であること
 ・付与決議時点で取締役・従業員であること

といった税制適格要件が抜けてしまっていることも散見され、税制適格だと思っていたが、実際は税制非適格として発行してしまっていたりします。

あえて非適格を狙って発行しているなら良いのですが、そうでない場合、新株予約権者のキャピタルゲインは大きく変わり、想定より少ないお金しか手元に残らなかったり、あるいは株価が下がってしまっているなら、利益どころかマイナスにもなりかねません。

ちょっとした設計ミスでこういうことが起きるので、やはり専門家のチェックは入れたほうが良いです(行使期間がたった1日だけズレているだけでも非適格になります)。

恐ろしいのは、書類を整えて、申請書と共に法務局に提出すれば、新株予約権の登記自体は出来てしまうことです。

登記されたはいいが、本当に求めているストックオプションなのかはチェックされませんので、やはり専門家に見てもらうのが良いと思います。

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ところで、税制適格ストックオプションの発行手続きに必要な書類(申請書、原本、還付書類)で厚みが約3cmにもなってしまいました。
もはや本ですね。

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シリーズB~+ストックオプション発行の時など、申請書がA4で20枚、添付書類一式はほぼタウンページ並みの厚さになる場合もあるので、まだ少ないほうです。

準備するのも時間が掛かりますが、ガンガン処理していきたいと思います。
では!


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